
2025年6月27日、X(旧Twitter)は有料広告におけるハッシュタグの使用を全面禁止するという衝撃的な発表を行いました。ハッシュタグを活用した拡散型のキャンペーンは、多くの広告主にとって認知・話題化の武器でした。これにより、「X離れ」が加速する可能性も指摘されており、今後のSNS広告施策の再構築が急務となっています。
そんな中、新たな選択肢として広告業界内で注目を集めているのが、Metaが提供する「Threads(スレッズ)」です。本記事では、Threadsの特徴と可能性、広告展開におけるメリット・デメリット、Xとの比較、そして具体的な出稿手順について、広告担当者の視点から解説していきます。
なぜ今「Threads」なのか?SNS広告を取り巻く現状と背景
Xのハッシュタグ全面禁止は、ブランドにとって痛手です。拡散やUGC(ユーザー生成コンテンツ)促進のために設計されたキャンペーンが根底から見直しを迫られる事態となりました。ハッシュタグ文化に依存していた企業キャンペーンにとって、再設計は不可避です。
そんな中で、Metaが提供する新SNS「Threads」が再び注目を集めています。Instagram連携という強力な後ろ盾を持ち、特に若年層を中心にユーザー数を順調に伸ばしているのが特徴です。リリース当初こそ一時的な熱狂の後に失速した印象もありましたが、2025年現在ではアクティブユーザー数も着実に回復し、企業アカウントの参入も本格化しています。
【比較表】XとThreadsの広告展開・ユーザー層の違い
まずはXとThreadsを広告媒体として比較した表を見てみましょう。
| X(旧Twitter) | Threads(スレッズ) | |
| 月間アクティブユーザー(MAU) | 約3億人(世界)/約4,000万人(日本) | 約1.5億人(世界)※成長中/約800万人(日本)※推定 |
| 主な年齢層 | 25〜45歳中心 | 18〜35歳中心(特にZ世代) |
| 既存ブランド参入度 | 高い(大手アカウントが多数存在) | 中程度(2024年以降参入加速中) |
| ハッシュタグ文化 | 非対応(2025年6月〜) | 現時点で導入なし(代わりに会話誘導型) |
| 拡散力 | リポスト/いいね拡散型 | コメント/引用投稿中心 |
| 広告メニュー | 多数(動画、静止画、プロモトレンドなど) | Meta広告と連携(Instagramと共通フォーマット) |
このように、ThreadsはXとは異なる「Instagram的なユーザー体験」をベースにしており、ビジュアル訴求やコメント主体のコミュニケーションに強みがあります。また、Meta広告マネージャーを通じてInstagramやFacebookと並列で管理できる点も、広告担当者にとっては大きなメリットといえるでしょう。
Threads広告の種類と特徴
Threads単体ではまだ独自の広告フォーマットは少ないものの、Meta広告マネージャーを通じて次のようなメニューが展開可能です。
フィード広告(画像/動画)
Threadsのタイムライン上に自然に表示される広告。Instagramフィード広告と同様のフォーマットで、静止画または短尺動画を活用可能です。若年層との接点創出に有効。
ストーリーズ広告(Instagram経由)
Threads内では直接ストーリーズ表示はありませんが、Instagramのストーリーズ広告と連動させることで、シームレスなユーザー誘導が実現可能です。
コレクション広告/カルーセル広告
複数の商品や情報をスワイプで表示できるフォーマット。ECやブランド訴求に向いています。
リール広告
動画フォーマットによる高インパクト訴求。Threadsでは直接表示されませんが、Instagramとの組み合わせにより全方位展開が可能です。
Threads広告のメリット・デメリット
広告主としてThreadsを活用する際の利点と留意点を以下にまとめます。
【メリット】
Instagramとのシームレス連携:すでにMeta広告を活用している企業であれば、新たな設定なしにThreadsにも展開可能。
若年層への到達が容易:Z世代との親和性が高く、新しいブランド認知獲得に最適。
広告配信の柔軟性:Meta広告マネージャーにより、細かなターゲティングや予算調整が可能。
【デメリット】
拡散性の低さ:リツイート文化がないため、Xのような一気にバズらせる戦略とは異なるアプローチが必要。
広告メニューの未成熟さ:専用メニューはまだ整備途中で、今後の機能拡張に期待する必要あり。
効果検証の難しさ:Threads単体でのリーチやエンゲージメント指標が取得しづらく、Instagramとの合算分析が基本。
広告出稿の流れ|セルフサーブ/代理店経由
Threads広告はMeta広告の一環として配信されるため、InstagramやFacebookと同様の手順で出稿できます。
【セルフサーブの場合】
①Meta広告アカウントの開設:ビジネスマネージャーにログイン。
②キャンペーン作成:「広告マネージャー」から新規キャンペーンを作成。
③ターゲティング設定:年齢、地域、興味関心などを設定。
④配置先に「Threads」を追加:自動配置に任せるか、手動でThreads対応面を指定。
⑤クリエイティブ作成:静止画や動画、CTAボタンなどを登録。
⑥入札&予算設定:CPM/CPCなどを選択。
⑦広告審査&配信開始:通常24時間以内に審査完了。
【代理店経由の場合】
①広告代理店に相談/依頼:戦略立案〜クリエイティブ制作まで一括サポートが可能。
②企画提案の受領:キャンペーン設計、KPI設定、見積もりなど。
③制作・入稿・配信管理:配信進行状況のレポートを受領。
④効果分析とレポート提出:代理店がMeta管理画面からデータを抽出し報告。
このように、代理店経由であれば、ほぼ広告主側の作業負担はありませんので、広告運用に慣れていない企業やスピーディに対応したい場合は、Meta広告の知見を持つ代理店を通すのが安心です。
今後のThreads広告の展望と可能性
2025年現在、MetaはThreadsの広告機能をさらに強化していく方針を打ち出しています。今後は以下のようなアップデートが予想されます。
・Threads専用の広告レポート機能の拡充
・インフルエンサーパートナーとの協業プラットフォーム化
・コミュニティベースの参加型広告メニュー(ディスカッション参加型)
・AR/VR広告の統合(Metaのメタバース構想との連携)
こうした将来を見据えると、早期にThreads広告へチャレンジしておくことで、先行者メリットを享受できる可能性も大きいでしょう。
まとめ|SNS広告戦略を再構築するなら「今」
Xのハッシュタグ広告終了は、確かに業界に大きな動揺を与えました。しかし、それは同時に「次の一手」を検討する絶好の機会でもあります。
Threadsは、Metaの強大なエコシステムの一部として、今後ますます広告媒体としてのポテンシャルを高めていくことが予想されます。すでにInstagramやFacebookを運用している企業であれば、Threadsを新たなタッチポイントとして組み込むことは決して難しくありません。
ぜひこの機会に改めてSNS広告のポートフォリオを見直し、Threadsへのチャレンジを視野に入れた柔軟なメディア戦略を立てることを強くおすすめします。


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