2025年から正式に広告出稿が可能となった「メルカリAds」。リユース市場をけん引するフリマアプリ「メルカリ」に広告枠が登場したことで、デジタルマーケティングの可能性はさらに広がっています。本記事では、広告担当者として知っておきたいメルカリ広告の基礎知識からメニュー内容、ターゲティングの仕組み、入稿ルール、活用メリットまでを網羅的に解説します。
メルカリとは
まずは広告媒体としての「メルカリ」のポテンシャルを整理しておきましょう。
フリマアプリとして2013年に誕生した「メルカリ」は、現在累計出品数30億件を超える圧倒的な利用実績を誇ります。アプリ上では1秒間に7.9品が売れており、日本におけるフリマアプリ利用者の94%がメルカリを利用しています。
とくに注目すべきは、10〜30代の利用者が約6割を占める若年層へのリーチ力。加えて40代・50代の利用者層も堅実に増加しており、全世代に広く訴求できる点も大きな魅力です。

「メルカリって、若い世代の人たちが中心の印象がありましたけど、意外と40代以上も多いんですね!」

「そうなんだよ。最近は“家の片づけ”や“断捨離”をきっかけに利用する中高年層も増えていて、生活者のリアルな購買欲にアプローチしやすい媒体になっているんだ。」
メルカリAdsとは
メルカリAdsには大きく分けて以下2つの広告メニューが存在します。
● Product Ads(プロダクト広告)
配信面:検索結果画面
課金形式:CPC(クリック課金)形式、オークション方式
ターゲティング:なし(検索キーワードや商品情報に基づいた自動マッチング)
クリエイティブ:静止画のみ(アニメーション不可)
Product Adsは、商品データフィードと連携して自動的に広告が生成される仕組みです。いわば、ユーザーの検索行動に直接応答する「検索連動型広告」に近く、購買意欲の高いユーザーにリーチできる点が特徴です。
そもそも「フィード広告」とは?
まず「フィード広告」とは何か、簡単なイメージから掴みましょう。
を一言でいうと「あなたのお店の商品カタログ(商品リスト)を元に、お客様一人ひとりに合わせておすすめ商品を自動で表示してくれる広告」のことです。
「ダイナミック広告」や「動的広告」とも呼ばれます。
【身近な例】
ある通販サイトでスニーカーを見た後、別のニュースサイトやSNSを見ていたら、さっき見たスニーカーや、それと似た別のスニーカーの広告が追いかけてきた、という経験はありませんか?あれがまさにフィード広告の一種です。
メルカリのフィード広告とは?
メルカリのフィード広告は、上記をメルカリ内で行うものです。正式には「Mercari Ads for Shops」というサービスに含まれる機能です。
出店者が「うちのお店の、この商品リスト(=データフィード)を使って広告を出してください」とメルカリに渡しておくと、メルカリがユーザーの行動を分析し、最適な場所で、最適な商品を自動で表示してくれます。
【メルカリでの表示イメージ】
ユーザーがメルカリアプリで「ワンピース 夏」と検索したとします。その検索結果一覧の中に、あなたのお店(メルカリShops)のワンピースが、まるで通常の商品のように自然な形で「広告」として表示されます。
ユーザーから見れば「欲しいものを探していたら、ぴったりの商品が出てきた」という感覚で、広告感が少ないのが大きな特徴です。
Googleショッピング広告との違い
【ポイント解説】
一番の違いは「どこで、誰に広告を見せるか」です。
Googleショッピング広告は、Googleという巨大なプラットフォームで、広く情報を探している人々にアプローチします。「そろそろ新しいPCが欲しいな」と調べている段階の人にも広告を見せることができます。
メルカリフィード広告は、メルカリという「売り買いの場」で、「まさに今、何かを買おうとしている」ユーザーに絞ってアプローチします。ユーザーの過去の購入履歴や検索履歴から「この人はこういう物が好きだろう」と、極めて高い精度で商品を提示できるのが強みです。
初心者でもわかる!フィードの作成・登録手順
フィード広告を出すには、まず「商品カタログデータ(=データフィード)」を準備してメルカリに登録する必要があります。少し専門的に聞こえますが、やることはシンプルです。
【大前提】メルカリShopsへの出店が必要
この広告は、個人で出品しているアカウントではなく、「メルカリShops」に出店している事業者向けのサービスです。
Step 1:商品リスト(データフィード)の元になるファイルを用意する
まずは、広告に出したい商品の情報をまとめたリストを作成します。これは、ExcelやGoogleスプレッドシートなどで作成し、最終的にCSV形式やTSV形式といった形式で保存するのが一般的です。
Step 2:商品リストに必要な情報を入力する
メルカリが「この商品は何か」を理解できるように、決められたルールに従って商品情報を入力していきます。以下は、代表的な必須項目です。
項目名 内容 入力例
id 商品を識別するユニークなID(商品コードなど) item-001
title 商品名 オーガニックコットン 半袖Tシャツ Mサイズ
description 商品説明 肌触りの良いオーガニックコットン100%のTシャツです。
link 商品ページのURL https://mercariapp.page.link/xxxxxxxxx
image_link 商品画像のURL https://static.mercdn.net/item/detail/orig/photos/m12345.jpg
price 価格(通貨も指定) 2500 JPY
availability 在庫状況(在庫あり/なし) in stock
condition 商品の状態(新品/中古) new
※この他にも推奨項目があります。詳細はメルカリ広告の公式マニュアルで確認が必要です。
※既にGoogleショッピング広告などでデータフィードをお持ちの場合、それをメルカリの仕様に合わせて少し修正するだけで流用できることもあります。
Step 3:広告管理画面からフィードを登録する
商品リストのファイル(CSVファイルなど)が完成したら、メルカリ広告の管理画面にログインし、そのファイルをアップロードします。
登録方法には、主に2つの方法があります。
手動アップロード: 管理画面から都度ファイルをアップロードする方法。商品情報が頻繁に変わらない場合に手軽です。
自動連携(推奨): サーバー上にファイルを置いておき、メルカリが毎日自動で最新情報を取得しにくるように設定する方法。在庫や価格が変動するお店では、こちらの方法で常に情報を最新に保つことが重要です。
Step 4:広告キャンペーンを設定する
データフィードの登録が完了したら、最後にその商品リストを使って広告キャンペーン(予算や配信期間など)を設定すれば、配信がスタートします。
メルカリのフィード広告は、「購買意欲マックス」のメルカリユーザーに対して、あなたの商品を最も効果的なタイミングで自動的に届けてくれる非常に強力なツールです。
最初のデータフィード作成は少し手間がかかりますが、一度設定してしまえば、あとはメルカリのシステムが賢く広告を運用してくれます。メルカリShopsで売上をさらに伸ばしたいと考えている方にとって、試す価値のある広告手法と言えるでしょう。
● Infeed Ads(インフィード広告)
配信面:検索結果画面
課金形式:CPC、オークション方式
ターゲティング:
性別・年齢・職業・居住地
デバイス(iOS/Android/PC)
プラットフォーム(アプリ/Web)
キーワードターゲティング
除外キーワード設定も可
クリエイティブ:静止画、画像+テキスト
Infeed Adsは、より細かくターゲティングを設定できるディスプレイ型広告。メルカリ内で商品を探すユーザーの検索行動や属性に応じて広告を表示することが可能です。

「2つの広告メニューがあるんですね。プロダクト広告は検索に連動するってことは、ECと相性がよさそうです!」

「その通り。Product AdsはとにかくCV獲得が目的のプロダクト向き。逆にブランド訴求やターゲットへの認知にはInfeed Adsの方が向いている。どちらを選ぶかはKPI次第だね。」
セグメント機能が強化!狙ったターゲットに届く
2025年1月にはInfeed Adsのターゲティング機能がアップデートされ、「居住地」「職業」「デバイス」「プラットフォーム」などのセグメントが新たに追加されました。
これにより、たとえば「東京在住の20代女性で、iOSを使っているアプリユーザー」というように、かなり詳細なペルソナに基づいた広告配信が可能になります。
また、レポート機能も強化されており、広告配信後にどのセグメントが成果を出しているかをレポートビルダーから確認できるのも魅力です。

「今までのDSPでもターゲティングはできましたけど、メルカリは購買意欲が高いユーザーが多いぶん、精度が違いそうですね!」

「そう。検索キーワード×ユーザー属性という二軸での精緻なターゲティングが可能だから、費用対効果はかなり期待できるよ。」
メルカリAdsの行動ターゲティングはアプリ内データとブラウザCookie情報の両方を活用
メルカリAdsの行動ターゲティングは、主にメルカリアプリ内でのユーザーの売買や検索といった行動履歴に基づいていますが、Chromeなどのブラウザでメルカリのウェブサイトを閲覧した際のCookie情報も利用されています。
ターゲティングの仕組み
メルカリAdsの行動ターゲティングは、以下の2つの主要なデータソースを組み合わせて、ユーザーの興味関心に合わせた広告を配信しています。
メルカリアプリ内の行動データ(主軸)
ターゲティングの最も重要な基盤となるのが、月間2,300万人以上が利用するメルカリアプリ内で蓄積された、以下のような膨大なユーザー行動履歴です。
検索キーワード: ユーザーがどんな商品を求めているかを直接的に示します。
閲覧履歴: どの商品に興味を持っているか、どのカテゴリーをよく見ているかを分析します。
購買履歴: 過去に何を購入したか、どんなブランドやカテゴリーを好むかの強力な指標となります。
出品履歴: ユーザーがどんな商品を「持っている」か、どんなジャンルに詳しいかを示唆します。
いいね!や保存: 購入意欲の表れや、興味関心の対象として分析されます。
これらのメルカリ独自のデータを活用することで、「最近、特定のブランドのスニーカーをよく検索しているユーザー」や「ベビー用品を何度も購入しているユーザー」といった、極めて精度の高いターゲティングを実現しています。
ブラウザのCookie情報(補助的)
メルカリのウェブサイトをPCやスマートフォンのブラウザで閲覧した場合、その行動はCookieを通じて記録され、広告配信に利用されることがあります。メルカリのクッキーポリシーにも、広告配信のためにCookieを使用することが明記されています。
これにより、例えば以下のようなターゲティングが可能になります。
リターゲティング: メルカリのウェブサイトで特定の商品を閲覧したユーザーに対して、他のウェブサイトやSNS上で同じ商品の広告を表示する。
類似ユーザーへの拡張: メルカリのウェブサイトを訪れたユーザーと似た行動をとるユーザー層に広告を配信する。
メルカリAdsの行動ターゲティングは、メルカリアプリ内の具体的で詳細な行動データを主軸としつつ、ブラウザでの閲覧履歴といったCookie情報を補助的に活用することで、多角的にユーザーの興味関心を捉え、効果的な広告配信を行っています。
したがって、ご質問の答えとしては、「メルカリアプリ内で売買および検索したデータのみに基づく」のではなく、「それに加えてChromeなどブラウザで検索した際のクッキー情報も含まれる」が正確な回答となります。
なお、これらの広告表示については、メルカリアプリの「マイページ」にある広告表示設定から、行動履歴に基づいたターゲティング広告の配信を停止(オプトアウト)することも可能です。
入稿から配信までの流れとルール
広告出稿の手順は以下の通りです。
● 1〜2週前:アカウント申請と発行(約5営業日)
請求先単位でのアカウント作成が必要です。
● 配信1週間前:入稿と事前審査(約6営業日)
Infeed Adsの場合は、画像・タイトル・LP URLなどの共有が必要です。
● 配信開始後:事後審査あり
ユーザー通報等をもとに広告が停止される可能性もあります。
また、画像フォーマットやバナーの縦横比、タイトル文字数など細かい入稿ルールも定められているため、事前に確認することが大切です。

「配信までに意外と時間がかかるんですね。キャンペーンのタイミングを合わせるには余裕を持って準備しないと…。」

「うん、特に初出稿のときは準備に時間がかかるから、1か月前から逆算して動くのが理想だね。」
メルカリAdsの活用メリット
メルカリAdsを活用する最大のメリットは、購買意欲の高いユーザーへの直接アプローチが可能な点にあります。単なるバナー露出ではなく、ユーザーが商品を探している検索行動中に広告を出せるため、CVへの転換率が高いのです。
さらに、以下のようなメリットも挙げられます:
サイト訪問ではなく「購買」の直前にいるユーザーにリーチできる
ターゲティング精度が高く、広告費の無駄が少ない
リユース市場の拡大に伴って今後も成長が見込まれる媒体
特にEC商材、コスメ、アパレル、ガジェット系商品など、実需性の高い商材との親和性は抜群です。
まとめ:今こそ、メルカリAdsに注目せよ!
2025年に始動したメルカリAdsは、単なる新媒体にとどまらず、「購買意思決定の最終段階」にいるユーザーへのアプローチを可能にする次世代型の広告プラットフォームです。
出稿までの流れやターゲティング設計、入稿ルールなど、いくつかの注意点はありますが、それを上回る「高CVR」「高効率」の成果が期待できるのは間違いありません。

「これはチームでも一度、実験的に出稿してみたいですね!まずはInfeed Adsでリーチ目的のキャンペーンから始めてみましょうか?」

「いいね。商材との相性やキーワード設計次第で、しっかり成果が出る媒体だよ。じゃあ、営業チームにも共有して検討に移そう!」


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