超高齢化社会のマーケティング戦略

マーケティング

 超高齢化社会を迎えた日本。高齢者を取り巻くマーケティング環境も大きく変わってきています。そこで今回はシニアをターゲットとしたマーケティング戦略についてご説明したいと思います。
高齢化に伴い65歳以上のシニア層は2016年には3400万人に達し、総人口の27%を占めるようになりました。人口の4人に1人以上は高齢者であることから、ビジネスにおける注目度が年々高まっています。また、高齢者のインターネット利用率も増加傾向にあり、IT企業がシニア向けサービスを提供する機会も目にするようになりました。

 とはいえ、「シニア層」に向けたビジネスはどのように展開すれば良いのか悩んでいる担当者もいるのではないでしょうか?現代のシニア層は趣味嗜好も多様化しており、かつての「シニア層へのイメージ」だけでマーケティングを行うことは困難になっています。
今回、シニア層の市場規模の推移を確認し、シニアマーケティングを考える上で必要なペルソナ設定やニーズについて解説します。

ターゲットの設定

ターゲットはアクティブシニア


 アクティブシニアとは「自分なりの価値観をもち、定年退職後にも、趣味やさまざまな活動に意欲的な元気なシニア層。とくに、2007年以降に定年を迎えた団塊の世代をさすことが多い。お金も比較的自由に使えるため、高級車、旅行、不動産の購入ターゲットとなり得ます。

アクティブシニアの定義とは


アクティブシニアとは、

・仕事や趣味に対して意欲的
・新しい価値観を取り入れる
・健康意識が高い
・自立意識が高い

などのように一般的に「仕事・趣味などに意欲的で、健康意識が高い傾向にある層のことを指します。

シニアマーケティングにおいては、アクティブシニアは購買活動が活発という傾向がありターゲット属性として有力視されています。

アクティブシニアの消費傾向・嗜好とは

 アクティブシニアの属性傾向としては時間・金銭面に余裕があり、それらを自らのために有意義に使う傾向があります。アクティブシニアは、例えば次のようなものに興味を持ちやすい傾向があります。
旅行/買い物/趣味 にお金を掛ける

 アクティブシニアの方は新しい価値観を手に入れたい欲求が強くみられます。
そのため「新たな旅先」や「新たな趣味」に時間とお金を消費して楽しむということを求める人が多くなっています。

 例えば、近年は夜遊びを楽しんでいるシニア女性も多くなっており、シニア女性を対象に行った夜の外出に関する意識調査では「約7割が直近3か月で夜の外出経験あり(事前に決まっていた予定なら、午後10時までに帰宅をすればOKという人が過半数)」という調査結果が出ています。
このことから、やはり女性をキーパーソンとしたマーケティング活動を行なっていかなければなりません。

特徴1
情報の流入元
女性の場合は横だけでなく子供や孫などの縦のコミュニケーションも多いため、男性に比べて流行に敏感でSNSなどの利用率も高いです。特にLINEなどは子供からの勧めで始められることが多いようです。

特徴2
行動範囲が広い
男性の場合、定年退職などで職場を離れると、交友関係が一気に狭まる人が多い中、女性の場合、交流関係が続くケースも多く、特に国内旅行や近場での飲食店などでの消費が多いようです。

特徴3
健康や美容を維持するための活動に時間を惜しまない。
これは性別や所得にかかわらず、子や孫を持つ世代の人間なら誰もが願う共通の思いとして、病気になって子や孫に迷惑をかけたくないという意識が強いとうことです。

メディアプランニング

アクティブシニアの接触率の高い媒体には以下のようなものがあります。

・新聞
 新聞は年々部数が減少しており、独身の方や若いファミリー層では新聞を購読していない人も多いようです。ビジネスマンであれば日経新聞を読む人も多いかもしれませんが、こちらも電子版の利用率が高いと思われます。しかしシニア世代は新聞を読むことが社会とつながりにもなるため、購読を継続されるかたはまだまだ続くでしょう。そのため、シニアに関しては新聞広告はまだまだ有効な手段となります。広告コストは逆に下がっているため、広告のクリエイティブや仕掛けをつくることでコスパはまだまだ上げれると思います。

・雑誌
 雑誌は4マスの中で最も落ち込みの大きなメディアで、ここ数年で廃刊や休刊に追い込まれる雑誌も多く見られます。しかし、各誌の状況を見ると雑誌全てが落ち込んでいるかとおもいきやそうでもないようです。シニア向けであれば文藝春秋や週刊文春などはまだまだ堅調ですし、女性向け雑誌で言えば、女性自身や女性セブンなども順調、シニア向け通販雑誌であるハルメクなどもここ数年の雑誌不況の中でも衰えることなく成長しています。インターネットメディアが年々増え、接触者が増えていっても、紙媒体特有の魅力は失われることがないのです。雑誌広告もきちんとターゲットに合わせて絞り込み、雑誌ならではの特徴(ビジュアルの美しさ、保存性の高さ)を活かした広告クリエイティブにより、反響を求めることは可能です。

・ウェブ
 インターネットメディアは凄まじい勢いで増えており、今後の通信環境や、プログラムの進化により、より利便性を上げるだけでなくホログラムなどを利用した体験型の広告プロモーションなど斬新なものも増えてくることでしょう。今のところシニアが使いこなしているとは思いませんが、特定のメディアの利用者は増えています。たとえばSNSでいえば男女共にLINEの利用率は高く、男性で言えばFacebook、女性はInstagramの利用者も増えてきています。しかし、その接触頻度は若年層と比較するとまだまだ低く、接触時間も短いようです。

新聞広告
 シニアといえばやはり今でも新聞広告は強い媒体です。この新聞広告を活用してプロモーションを行うことは有効です。ただし、新聞広告はとにかく多くの人にリーチし、認知度をあげることには適していますが、レスポンスを得るにはあまり向いていない媒体です。ですのでもし新聞広告を使う場合はとにかくウェブへ誘導させる仕掛け(キャンペーンの実施)が必要です。

・ラジオCM
 特にAMラジオはシニアの好きなパーソナリティーが多く、特にシニアの起き出す朝帯の聴取率は高く、効果的です。中でもパーソナリティに実感していただく生コマーシャルはレスポンスが高く費用対効果も高いのでお勧めです。

・新聞折り込みチラシ
 介護施設や病院などエリアマーケティングを行う会社にとっては今でも強い媒体で即問い合わせに繋げるなど即効性に優れます。また、新聞広告と違い保存性に優れるため、後々になってチラシを直接持ってこられる顧客も見られます。しかしながら大量のチラシの中に入ってしまうと目に触れる前に捨てられてしまうなどのデメリットもあります。

・シニア向け雑誌
 文藝春秋や週刊文春などはシニアの購読率が高く、女性ではハルメクなどの雑誌も購読率が高く、広告を掲載するのに有効です。しかし、雑誌の特徴として即レスポンスに繋がりにくいといった面もありますので、年間計画を立てて長期的に掲載する必要があります。

・会員向けDM
 クラブツーリズムなどの旅行者へのご案内パンフレットへの同梱DM、経営者向けのオーナーズライフの同梱DMなど特定ターゲットに対するDMも有効です。しかしながら富裕層はなかなか簡単には問い合わせ行動を起こしにくいため、富裕層同士のコミュニティ参加者募集や高級車の試乗会、高級ワインの試飲会など、富裕層の心をくすぐる特別な仕掛けが必要となります。

・交通広告
 特にシニアはバスを利用する頻度が高いため、バスの運転手シート裏などは視認率が高いためお勧めです。

・病院・薬局内メディア
 シニアの訪問頻度の高い、病院や薬局内のデジタルサイネージなどは待ち時間で強制的に視認させることができるため、お勧めです。ただし、媒体の特性上、業種や広告表現などかなり厳しく制限される可能性高いため注意が必要です。

・インターネット広告
 今ではシニアのほとんどがスマホを利用しています。インターネット広告を併用するのはもはやあたりまえの時代に入ったといえます。それではシニアに有効なネットマーケティングにはどのようなものがあるのかを得て見たいと思います。

・シニアの興味のあるキーワードから攻略する。
上記のような趣味や生活情報サイトからのアプローチのほか、シニアの興味のあるキーワードから分析してアプローチすると言ったやり方もあります。


シニアの興味のあるキーワード

「資産運用」 「お墓」 「老人ホーム」

上記キーワードに加え、地域、年齢、性別などを掛け合わせてリスティング広告を実施する、アドネットワークで広告配信を行う方法もあります。

Google広告
https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/

Yahoo!広告
https://promotionalads.yahoo.co.jp/

趣味・生活情報サイト
現在シニアをターゲットとした趣味・生活情報サイトです。サイト内での広告展開の他、登録会員に対して定期的に配信されるするメールマガジン内の広告などの手段があります。

オヤノコト.net
これからの暮らし、親子のコミュニケーションを考えていくサイト
https://www.oyanokoto.net/

趣味人倶楽部
大人世代が趣味や仲間を探すためのコミュニティサイト
https://smcb.jp/

みまもりほっとライン
無線通信機を内蔵した「電気ポット」を使って、離れて暮らすご家族の生活を見守ることができる「安否確認サービス」
https://www.mimamori.net/

まごチャンネル
スマホで撮った子どもの動画と写真が実家のテレビに送れる!実家にはWi-Fi不要でケーブル2本を差し込むだけのかんたん設置。
https://www.mago-ch.com/

シュミカツ!
SEGAが運営する大人のための趣味発見サイト
https://segask.jp/

LTVを最大限に上げるためのCRM設計

 シニアマーケティングにおいてLTV(顧客生涯価値)を最大限に上げるためには、効果的なCRM(顧客関係管理)戦略が必要です。シニア市場は特に独自の要件と挑戦を抱えており、それに対応するために適切なCRM戦略を設計することが重要です。以下は、LTVを最大化するためのシニアマーケティングにおけるCRM設計に関するいくつかのポイントです。

個別化されたコミュニケーション

シニア層は多様な要件を持っており、一般的なアプローチではなく、個々の顧客の特性や好みに基づいた個別化されたコミュニケーションが必要です。

CRMシステムを活用して、購買履歴や嗜好に基づいた個別のメッセージや特典を提供しましょう。

長期的な関係の構築

シニア層は通常、長期にわたって顧客として企業と関わっています。CRMは、長期的な関係構築をサポートするために、定期的なフォローアップや特典の提供を含む機能を組み込むべきです。

教育とサポート

シニア層は商品やサービスに対して詳細な情報やサポートを求めることがあります。CRMは、情報提供や教育的なコンテンツの提供を通じて、シニア顧客のニーズに対応することができます。

利用状況のモニタリング

CRMシステムを使用して、シニア顧客の商品やサービスの利用状況をモニタリングし、必要に応じて適切な提案やアップセルを行います。

コミュニティの構築

シニア層は社会的なつながりが重要です。CRMを活用して、オンラインまたはオフラインのコミュニティを構築し、顧客同士の交流を促進します。

使いやすいインターフェース

シニア顧客はテクノロジーに慣れていない場合があります。CRMシステムは使いやすく、わかりやすいインターフェースを提供することで、顧客の利便性を向上させます。

フィードバックの収集と活用

シニア顧客の意見やフィードバックを積極的に収集し、これをCRMに統合して製品やサービスの改善に役立てます。

 これらのポイントを考慮した効果的なCRM戦略は、シニアマーケティングにおいてLTVを最大化し、顧客との持続的で満足度の高い関係を築くのに役立ちます。

まとめ

 以上、今回は比較的裕福なシニア層に焦点を当てたマーケティングについてご紹介しました。しかし、裕福な層をターゲットにすることは容易ではありません。自社のサービスや商品のターゲットが明確になるまで、様々な試行錯誤が必要な場合もありますので、時間を掛けて克服していく必要があります。

 また、今回シニア向けの媒体も複数紹介しましたが、これらに頼るだけでなく、これらを基にしてマーケティング全体を展開することが重要です。特に、自社の製品やサービスが提供する価値がきちんとメッセージとして伝わっているかどうかは、最終的な成功に大きく影響するため、これに焦点を当てることが肝要です。

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