コンテンツマーケティングの今と未来

マーケティング

 ここ数年「コンテンツマーケティング」という考え方が日本でもかなり浸透しましたが2019年の9月にヤフーがコンテンツマーケティングから撤退という衝撃的なニュースが流れました。また同時期にぐるなびの「みんなのごはん」、nanapiなどの有名なオウンドメディアの更新や閉鎖が相次ぎました。

 もともとコンテンツマーケティングの定義は2000年ごろにアメリカで生まれた新しいSEOの手法であり、バズるコンテンツ作りだったり、瞬間的にPVを稼ぐ手法は次第に下火になって日本がそれに追随して撤退して行く流れになってしまったようです。

 特に日本のコンテンツマーケティングは、しっかりとした軸を持たずに、アメリカの表面上の真似をしてみたものの、実質は認知獲得を重視しすぎた広告的発想から抜け出すことができなかったため衰退してしまったのではないでしょうか。

 しかしその一方で、ここ最近では単純なSEO対策ではなく、顧客ロイヤリティを上げるためにしっかりとコンテンツを作っていこうという動きや成功事例も出てきているのも事実です。今回はこのコンテンツマーケティングの今と未来について考えてみたいと思います。

Googleのポリシー

Googleの評価基準はガイドラインにもあるように、

・ユーザーの利便性を最優先してページを作る
・ユーザーをだますことはしない
・検索順位を上げるために不正行為をしない
・サイトに独自性や価値を持たせ、他のサイトと差別化する

とされており、過去のような短期的なPV施策ではなく、求められるコンテンツSEOとは質の高いコンテンツにより長期的な優良見込みを集客し、新規、既存顧客を問わず顧客とのエンゲージメントを強化するためのCRM施策とも言えるとも思います。

 例えば、オウンドメディア で言えば、過去のオウンドメディア やここ数年で閉鎖したメディアがいわゆる広告によったものであったとするならば、これから求められるオウンドメディアは質の高い情報を発信し続けるもう一つの事業という位置付けであろうと思います。そのためには常に質の高い記事や情報を発信し続けることで社会に貢献し続けること、そして顧客とのエンゲージメントの強化だけでなくロイヤリティを高めるブランディングとしての昨日も果たすということです。

 またその一方で、WEB広告における獲得系の広告コストが上がり続けている背景の中で、長期的に安定してリードを獲得して行く企業の資産としての役割も果たすため、そしてマーケティングオートメーションの普及によりより無駄とコストを省いて顧客開発→顧客の育成→顧客との関係強化=LTVの向上というものがより求めれる時代になっているのです。そのことから考えても今後は新たなコンテンツマーケティング のブームの局面に差し掛かっているのではないかとも思えます。 

 ちなみに「Get Content Get Customers」の著者であるJoe Pulizzi氏が創設したContent Marketing Institute(コンテンツマーケティングインスティチュート)の定義によれば、コンテンツマーケティングとは「コンテンツマーケティングとは、適切で価値ある一貫したコンテンツを作り、それを伝達することにフォーカスした、戦略的なマーケティングの考え方である。明確に定義された読者を引き寄せ、関係性を維持し、最終的には利益に結びつく行動を促すことを目的とするとあるようです。

 むしろオウンドメディア はブランディングよりに作って行く必要があり、そのためには目先の売り上げに結びつくだけでなく長期的に顧客の生活に役に立つものでなければならないということです。それはここ数年のマーケティングトレンドでもある「ウェルビーイング」にもつながっているようにも思えます。

オウンドメディア の好事例

 オウンドメディアを自社のブランディングに利用している良い事例としてRed Bullがあります。

引用:レッドブル
https://www.cainz.com/jp/howto/category_pages/diy.html

 Red Bullは世界的に有名なエナジードリンクのメーカーですが、モータースポーツ、飛行機レース、音楽、など、様々な分野に出資し、アクティブなユーザーをターゲットに、クオリティの高いコンテンツを発信し続けています。また、その特徴としてコンテンツの中ではエナジードリンクには触れていない点です。あえてドリンクを宣伝しなくてもスポーツや音楽などRed Bullのターゲットとするアクティブなユーザーとの親和性を認識した上であえて商品をPRしないことこそが真のブランディングであると強く認識していることがうかがえる事例です。
 また、通信インフラが進化した今、コンテンツマーケティング に動画は不可欠とも言えます。消費者の情報ツールはもはやテレビ、PCではなく、スマホに移行しています。このような環境であれば最も大容量の情報をスピーディーに伝えられるのは動画が適していると言えます。


 また、静止画や文章よりも視覚、聴覚を刺激することでより理解を促進することができ、記憶にも残りやすいのもメリットと言えるでしょう。そして何よりも、動画は興味を引きやすいため、すぐに見てもらい、共感してもらってシェアしてもらえる可能性も高いため、拡散にも有効です。 

ちなみに動画を使ったコンテンツマーケティング の良い例としてはカインズのDIY動画があります。

引用:カインズ
https://www.cainz.com/jp/howto/category_pages/diy.html

 こちらは短い尺の動画を使ってDIYについて説明しています。もちろん商品は全てカインズで購入できるため、販促のイメージが強いですが、生活に役に立つメディアとしての側面の方が強調されており、ブランディングとして十分成立している良い例だと思います。

個人情報規制がコンテンツマーケティング に及ぼす影響

 個人情報規制がコンテンツマーケティングに対して追い風か向かい風かは、実際の実装や企業のアプローチによります。ただし、適切に対応できれば、これはむしろ追い風となる可能性があります。以下にその理由を示します。

  1. 信頼構築 プライバシーを尊重し、法的規制を遵守する姿勢は、顧客との信頼を構築する重要な要素です。信頼が築かれれば、顧客は企業のサービスやコンテンツに対してよりポジティブな態度を持つ可能性が高まります。
  2. 透明性の向上 個人情報規制に対応するために、企業はデータの収集や利用に関する透明性を向上させる必要があります。これにより、ユーザーは情報の取り扱いについてより理解しやすくなり、企業の透明性が高まります。
  3. 法的リスクの回避 規制順守は法的なリスクを最小限に抑えるために重要です。個人情報規制に従うことで、罰則の回避や法的トラブルのリスク軽減が期待できます。
  4. 競争優位性の確立 プライバシーを尊重する企業は、これを強みとしてアピールできる可能性があります。顧客はデータの安全性を重視する傾向があり、その点で優れた企業は競争上の優位性を築くことができます。

 ただし、これらのポジティブな側面を実現するためには、適切なデータ管理の実践と透明性が必要です。逆に、個人情報規制に対応せず、法的な問題やプライバシー侵害が続く場合は、それが向かい風となり、企業の評判や信頼が損なわれる可能性があります。

 以上、今回はコンテンツマーケティグの今と未来について考察を述べさせていただきました。前述した通り法規制や技術の進歩によっても大きな影響を影響をうける性質ではあるもののかつてのようなブームで終わらず、企業がもつ無形資産を情報として発信して行くこと自体が顧客の求める価値となり、企業は顧客とともに発展を続けていくことは間違いないと言えると思います。

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