昨年から話題になっているチャットGPT。ジェネレーティブAIといわれるこの新技術の登場により、様々な産業において構造の再構築が始まっています。
また、このAIの登場によって、ホワイトカラーの9割の仕事が奪われるとも言われており、コーディングもデバックもできるため一定レベルのプログラマーの仕事もなくなるかも知れません。

いわゆるディスラプターの原動力ともいえるこのAIはまだまだ未知の部分があるようで、活用している人の大半はその能力から享受できるほんの一部部でしかないといわれています。
そのような中で今、注目されているのがAIの能力を最大限に引き出すことのできるエンジニア、プロンプトエンジニアという職業です。
また、この職業においてはまだまだ活躍できる人材も限られているため、米国のある企業においては採用条件としてなんと年収4,500万円という条件で提示されているから驚きです。
今回は、全く新しい職業であるこのプロンプトエンジニアについて取り上げてみたいと思います。
チャットGPTとは

チャットGPTは、OpenAIが開発した自然言語処理モデルです。GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の略であり、深層学習モデルの一種です。GPTは大量のテキストデータを事前に学習し、その学習結果をもとにテキスト生成や自然言語理解のタスクを実行することができます。
チャットGPTは、ユーザーとの対話形式でコミュニケーションするために特化されています。ユーザーからのテキスト入力に基づいて、モデルはそれに対する適切な応答を生成します。応答は、文法的に正しいだけでなく、意味的にも適切なものとなるように学習されています。
チャットGPTはトランスフォーマーと呼ばれるアーキテクチャを使用しており、自然言語の文脈を理解し、適切な応答を生成するための情報を抽出します。モデルは複数のレイヤーから構成され、各レイヤーは自己注意機構を使用して、入力文の各単語とその周囲の単語の関係性を捉えます。このような多層のレイヤーを通じて処理されることで、モデルはより複雑な文脈や表現を理解することができます。
モデルの学習には、大規模なテキストコーパスが使用されます。このコーパスには、インターネット上のウェブページ、ブログ、ニュース記事、書籍などさまざまな情報源から収集されたデータが含まれています。GPTは、事前学習フェーズでこのデータを使用して大量のパラメータを調整し、テキスト生成や応答生成のタスクに適した知識を獲得します。
プロンプトエンジニアリングとは
プロンプトエンジニアリングは、GPTなどの自然言語処理モデルを使用して、特定のタスクや応用に適した応答を生成するためのテクニックです。通常、モデルに直接質問やタスクの指示を与えるのではなく、モデルに対して文脈情報となるプロンプト(初期テキスト)を提供し、モデルがそれに続く適切な応答を生成するように促す方法です。
プロンプトエンジニアリングの基本的なアイデアは、モデルがどのような情報を受け取り、どのような応答を生成するかを制御することです。プロンプトは、ユーザーからの入力やシステムの要求など、特定のタスクに関連する情報を含んでいます。プロンプトの設計や修正によって、モデルの応答を目的に合わせて調整することができます。
プロンプトエンジニアリングでは、下記のようないくつかの主な手法が使われます。
プロンプトテンプレートの設計
タスクに合わせたプロンプトのテンプレートを作成します。例えば、質問応答の場合は「質問:」という形式のプロンプトを使用します。
コンテキストの提供
プロンプトには、問題の文脈や関連情報を含めることができます。これにより、モデルに対してより具体的な指示を与えることができます。
出力の制御
モデルの応答を制御するために、プロンプト内に条件や制約を組み込むことができます。例えば、応答の長さやスタイルを指定するなど、生成される応答の特性を制御することができます。
ファインチューニング
事前学習済みモデルを特定のタスクに適応させるために、プロンプトエンジニアリングによるファインチューニングを行うこともあります。タスク固有のデータや評価指標に基づいて、モデルの重みを微調整します。
プロンプトエンジニアリングは、モデルの性能を向上させるための手法の一つです。
プロンプトエンジニアの将来性は

プロンプトエンジニアの需要の拡大
自然言語処理技術の進歩やAIの発展により、プロンプトエンジニアの需要は今後も増加すると予測されます。企業や組織は、AIモデルを開発し、応答の生成やタスクの自動化を行うために、高度な自然言語生成モデルを活用する需要があります。
多様な応用分野への適用
プロンプトエンジニアは、広範な応用分野で活躍する可能性があります。例えば、コンテンツ生成、カスタマーサポート、コーディング支援、文章校正、文章要約など、様々な領域で利用されることが予想されます。
開発者向けツールやフレームワークの発展
プロンプトエンジニアを容易に使用できるツールやフレームワークが開発されることにより、プロンプトエンジニアの普及が進むと予測されます。これにより、非専門家でも簡単に自然言語生成モデルを利用できるようになり、需要の増加が期待されます。
品質と倫理の重視
プロンプトエンジニアの応答の品質と倫理的な側面への注意が重要とされるため、将来のプロンプトエンジニアは、生成される応答の品質管理や倫理的なガイドラインに従う能力が求められるでしょう。これにより、品質管理や倫理的な指針を提供するサービスやコンサルティングの需要も増える可能性があります。
総じて言えば、プロンプトエンジニアの将来性は明るいと言えます。需要の拡大や多様な応用分野への適用、開発者向けツールの発展、品質と倫理への注力など、さまざまな要素が将来のプロンプトエンジニアの成長を支えると予測されます。
プロンプトエンジニアに向いている人はどんな人?
プロンプトエンジニアに向いている人は、以下のような特徴を持つことがあります。
自然言語処理への興味
プロンプトエンジニアは、自然言語処理技術を理解し、応答の生成に関する知識を持つ必要があります。したがって、言語処理に対する興味や関心を持つ人がプロンプトエンジニアとして向いていると言えます。
プログラミングスキル
プロンプトエンジニアは、AIモデルの開発やデータの処理にプログラミングスキルを必要とします。特にPythonなどのプログラミング言語に精通していることが望ましいです。プログラミングに対する知識やスキルを持つことは、プロンプトエンジニアにとって重要な要素です。
クリエイティビティと柔軟性
プロンプトエンジニアは、自然な応答を生成するためにクリエイティブなアプローチや柔軟性を持つ必要があります。新しいアイデアを考え出し、問題解決能力を発揮できる人がプロンプトエンジニアとして適しています。
コミュニケーション能力
プロンプトエンジニアは、他のチームメンバーや顧客とのコミュニケーションが重要です。要件やニーズを理解し、効果的なコミュニケーションを行いながら、プロジェクトを進める必要があります。
学習意欲とアップデートの意識
自然言語処理技術は急速に進化しており、新しい手法やアルゴリズムが頻繁に登場します。プロンプトエンジニアとして成功するためには、常に最新の情報にアクセスし、学習意欲を持ち、新しいトレンドやテクノロジーに対するアップデートの意識を持つことが重要です。
これらは一般的な特徴であり、すべてが必須条件ではありません。ただし、上記の特徴を持つ人は、プロンプトエンジニアとしてのスキルや能力を発揮しやすいと言えます。
プロンプトエンジニアの求人情報はどこで探せば良い?
プロンプトエンジニアリングに特化した求人や募集を行っている企業は、専門的な自然言語処理やAI開発に取り組んでいる企業や研究機関で見つけることができます。現在の募集状況や詳細を確認するためには、各企業のウェブサイトや求人ポータルを参照することをおすすめします。
OpenAI
GPTモデルの開発元であり、AI研究・開発に取り組んでいる企業です。OpenAIのウェブサイトやキャリアページでプロンプトエンジニアリングに関連する求人情報を探すことができます。
Google
Googleは自然言語処理や機械学習に強い関心を持つ企業であり、プロンプトエンジニアリングに関連するポジションを募集している可能性があります。Googleのキャリアページや研究部門をチェックしてみてください。
Microsoft
Microsoftも自然言語処理やAIの研究・開発に取り組んでおり、プロンプトエンジニアリングに関連するポジションを募集していることがあります。Microsoftのキャリアページや研究部門を調べてみてください。
AIスタートアップ企業
プロンプトエンジニアリングに特化したAIスタートアップ企業も存在します。これらの企業は、AIの応用や自然言語処理技術の開発に特化しており、プロンプトエンジニアリングに関連する役割を募集していることがあります。
また、AIや自然言語処理に関連する学術機関や研究所でも、プロンプトエンジニアリングに関連する研究や開発に取り組んでいる場合があります。
以上、今回はチャットGPTの登場により、注目され始めている新しい職業、プロンプトエンジニアについて取り上げてみました。様々なテック系メディアでも詳しく取り上げられはじめていますので興味のある方はぜひチェックしてみてください!


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