今、注目されるABMとは

今、注目されるABMとは DX
今、注目されるABMとは

 現代においてデジタルマーケティングの重要性は日々高まっています。企業の営業活動においてもかつては訪問営業、電話営業など、営業は足で稼いで、トップセールスには賞金や旅行などをインセンティブとしてモチベーションを上げるという手法もありましたが、いまや営業は個人で行うのではなく様々な協力者とワンチームで行うことが個人にとっても企業にとって最も成果が得られやすい形となっています。もはや個人の属性に頼るのではなくデータに基づいて行う科学的営業の時代。そこで注目されてきているのがABMです。

 ABMとはアカウントベースドマーケティングの略。その概念は一見するとMA(マーケティング・オートメーション )と同義に聞こえますが、MAが獲得したリード自体に焦点を当てるのに対してABMは企業としての課題を抽出し解決する点が異なるところです。

 MAでは個を対象として数を追い求めていきますが、ABMでは企業単位で質を求めていきます。MAが網を広げて大量の小魚を狙うのに対してABMはマグロの一本釣りを狙うといったところでしょうか。一見すると効率悪く見えますが、パレートの法則(経済において全体の数値の大部分は全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論で80:20の法則とも呼ばれる)中長期的に見ればまちがいなくABMの方が正しい戦力であるとも考えられます。

ABMの導入が必要な理由


 ABMはいわばマーケティング部門のDX化(デジタル・トランスフォーメーション)です。現在日本において90%以上を占める中小企業の大半のDX化が遅れており、2025年の崖問題に直面しています。


  2025年の崖とはー(平成30年9月7日経済産業省によるデジタルトランスフォーメーションに向けた研究会によるDXレポートより)既存のシステムが複雑化・ブラックボックス化されたまま放置した場合、


ユーザー側の課題


・今後爆発的に増えるデータを活用できずデジタル競争の中で敗者となる恐れがあること
・システムの維持管理費が高額化するなど技術的な負債を抱えることにより業務基盤そのものの維持や継承が困難になること
・保守や運用の担い手がいなくなり、セキュリティが脆弱になり、ハッキングによるデータの流出や事故によるデータの消失のリスクが生じること

ベンダー側の課題


・技術的負債の保守・運用にリソースを割かざるを得ないため最先端のデジタル技術を担う人材を確保できないこと
・レガシーシステムサポートに伴う人月商売の受注型業務からの脱却ができないこと
・クラウドベースのサービス開発・提供という世界の主戦場を攻めあぐねる状態になること

という問題が発生することで日本企業が世界の中で取り残されていくことを危惧して経済産業省でその緊急性を訴えている問題のことです。そのため、営業やマーケティング部門においてもMAやABMの早期導入が求められているのです。

ABMのメリット

 ABMのメリットは個々に追うのではなく企業として追う価値があるかを見極める考え方であるので、LTVの高い顧客の獲得により企業の収益の安定化が見込めます。

ABMのデメリット

 営業への理解促進が難しく、特にパフォーマンスの高い営業ほど、目先の売り上げにつながる顧客を優先するため、バラバラな動きをとると効率が悪くなります。

ABMの進め方

・目的・目標の設定


 まずはABMの導入に当たってマーケティング担当者の役割や担当業務を設定し、KGIおよびKPIを設定しましょう。目標を設定したらそのゴールに到達するまでのプロセスが明示された計画書も作成しておきます。

・現時点での社内のリソースの把握と外部人材の活用検討


 ABMの導入に当たって車内で活用できるリソース(人材)はどれだけいるのでしょうか。またそのような人材が社内にいない場合は外部のマーケターやコンサルタントに依頼することも重要です。

・ターゲットの明確化と導入プロセスイメージの作成


 ABMを導入してマーケティングの効率かを目指すためにまずはターゲットを明確にしておきましょう。また導入後のPDCAのイメージもしておかなければなりません。

・カスタマージャーニーに沿ったコミュニケーションツールの検討


 ターゲットであるカスタマージャーニーマップを作成してタッチポイント毎のコミュニケーションを検討しましょう。

・具体的なコンテンツ作成とPDCA


 ターゲットが求める情報をコンテンツ化し、提供することを顧客ベネフィットとします。

ABMの代表的ツール

・FORCAS


 FORCUSは、保有している144万社以上の企業データベースを元に顧客分析を行い、受注傾向やポテンシャルを瞬時に把握できます。社内に有する顧客情報とFORCUSの企業情報を合わせ、名寄せエンジンで検索することにより、精度の高い顧客データ統合が期待できます。SFAやMAとAPI連携することで名寄せ・データエンリッチメントされた状態が持続され、リードへの対応順位付けなどに役立ちます。

・uSonar


 uSonarはLBCという820万拠点、国内拠点網羅率99.7%の企業データを搭載したクラウド型の顧客データ統合ツールです。顧客データベースと連携できるアプリ「ユー名刺」で撮影した名刺情報も瞬時に表示可能であり、少ない手間で優先度の高い企業を選定することができます。WEBサイト来訪企業や名刺情報、各部門ごとの顧客情報など独立していたデータを統合することで、社内各部門の密接な連携が可能です。

・Datanyze


 DatanyzeはAPIやCSV経由で社内システムとの統合が容易にできるツールです。マシンラーニング技術も搭載した予測分析機能により、ICT企業に共通するテクノグラフィックデータや履歴などを分析し、リードの発掘を行います。また、重要企業のデータを毎日メールで知らせてくれるため、効率的に既存顧客解約リスクを防止できます。
ABM導入にあたっては経営、マーケティング、営業が一体となって進めて行く必要があります。ともすれば目先の顧客獲得に走りがちな営業のコントロールはマーケティングだけでなくトップダウンによるコントロールが必要です。全ての意思・行動が統一され、目標に向かって日々積み重ねを行なって行くことで、その成果はおそらくいままで想像していたものよりもはるかに大きなものを得られることでしょう。

 以上、今回は今注目されるABMについてご案内いたしました。ぜひ前述したような2025年の崖によるリスクを回避するためにも早期検討〜導入を進めていきたいものです。

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