マーケティングにおいてブランド戦略はとても重要なものです。目先の利益を狙った小手先の広告では、消費者に飽きられいずれ見込も枯渇してしまいます。ブランド戦略はその企業のドメイン全体を捉えて顕在見込層以外にも刺激を与え、潜在層を顕在層へ引き上げる働きもあるのです。今回は中長期的に集客を上げていくためのブランド戦略についてご説明したいと思います。
ブランドの由来
ブランドとは、ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念。英語「brand」からの外来語。 「brand(ブランド)」の語源は、焼印を押す意味の「Burned」で、自分の家畜と他人の家畜を間違えないよう、焼き印を押して区別していたことから、「銘柄」「商標」を「brand(ブランド)」と言うようになったとも言われています。
ブランドのメリット
・競合との差別化ができる
・顧客のロイヤリティにより長期的な売り上げの確保ができる
・ブランド自体に価値が有るので高い利益率が得られる
・知名度が上がり、企業の調達力も上がる
ブランディングプロセス
プランドポジショニング
ブランドの目的を明確にし、サービスや商品を提供する対象に対してどのような役割を果たせるのかを定義します
ブランドパーソナリティ
商品やサービスを形取る様々な要素(色合い、雰囲気、イメージ、形状、価格など)を対比しながらブランドの性格を具体化していきます
ブランドアソシエーション
サービスや商品を提供する対象および対象者の理想をイメージし、ブランドと結びつけます
ブランドストーリー
ブランドが確立するまでの道筋を明確にしそれを伝えるための物語をつくります
ブランドプロミス
商品やサービスを購入した際に対象者が得られるベネフィットを約束するためにコピーやスローガンにそれを明示します
ブランドが確立するまでには様々な作業が発生する。一朝一夕で作れるものではないのじゃ。
企業ブランディング事例
スターバックスのサービスブランディング
誰もが知るシアトルコーヒーと提供するスターバックスのサービスブランディングは生活者を惹きつけるだけでなく、時に接客スタッフの誇りとなり、サービス品質も上げることも可能としたことで有名です。
スターバックスはブランドアイデンティティとして「人々の心を豊かで活力のあるものにするためにーーひとりのお客様、1杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」をかかげてそれを末端までしっかり浸透させています。
スターバックスでは常に主役は「人(=人の心の豊かさ)」であり「コーヒー」は心の豊かさを実現するための「脇役」に過ぎないと考え、その理念を浸透させるため社員はもちろんアルバイトでもコーヒーの入れ方、清掃、コーヒーの知識、そして企業理念など一人あたり約80時間もかけて教育を徹底しているといいます。
その教育の結果、社員やアルバイトの会社に対しての忠誠心はもちろんそこで働く自分自身に誇りをもち、顧客の満足度を最大限上げるためのキャスト(劇団員)として最大限のパフォーマンスをあげるようになります。ちなみにスターバックスは広告宣伝をほとんど行わずにブランディングを確立したことでも有名な企業の一つです。
コロナ禍でのCSRブランディング
コロナ禍で広告が減っていく中で、目立っていたのはいわゆるCSRを全面に押し出した広告でした。マーケターや経営者がすばやく動いたことで実現されたこれらの広告はその企業のブランディングに大きく貢献しました。この広告の効果はおそらく何事もないときに同じ広告をうつよりも数倍のインパクトがあり、人々の心に刻み込まれました。
たとえば特に多かったのがキープディスタンス、ステイホームをメッセージとして強調した広告プロモーション。例えば自動車メーカーのアウディは有名な4つの重なるリングをそれぞれ距離を開けて掲載したり、マクドナルドも有名なあのロゴを離して掲載するなど一目でわかるクリエイティブが多く目立ちました。
また日本アイ・ビー・エムでは2020年6月18日、日本経済新聞に「いま世界は新しい発想をもとに動き始めました。」というコピーの全30段広告を出稿しました。ボディコピーでも「変化は、またたく間に拡がりました。」「ビジネスや人と人との繋がりは少しずつ動きを取り戻しています。」「いま、わずか数ヶ月前よりも人とテクノロジーの距離が縮まったと思いませんか。」「さあ、動き出そう。」といった前向きな表現を用いてこれからのビジネスにとって“新しい発想”が求められる7つの切り口を写真とともに紹介しています。
いずれもIBMが業界・分野別に提供するソリューションを活用できるシーンを描いたものですが、アフターコロナに向けた人々の新しい社会活動を支えていくという同社の強い信念がうかがえる広告でした。
世界的に有名な企業はブランドを守るために常に努力を怠らない。その積み重ねがブランドを強固なものにしていくのじゃ。
以上、今回はブランド戦略についてご説明させていただきました。ブランド戦略は新規顧客獲得に優位に働くだけでなく、既存の顧客とのエンゲージメント(繋がり)も強化することのできるマーケティング活動です。必ずしも広告費用をかけることを必要としないこのマーケティング活動は大企業だけでなく、中小企業が生き残るための戦略としても活用できることと思います。


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