交通広告の概念を変えるプログラマティックバイイングとは

広告プロモーション

 コロナ禍で特に落ち込んだのは電車内の中吊り広告やサイネージ、また屋外看板や屋外ビジョン、タクシーサイネージなどが顕著でした。しかし、そのような中でメディアは形を変えて広告主のニーズに答えることができるように変化してきています。それがプログラマティックバイイングというシステムです。


 かつては認知度を上げるための広告媒体の代表的な媒体でもあった屋外看板などはJRなどの主要駅前のビルの高層部や高速道路から視覚に届きやすいビルの屋上などに配置されて、注目度の高いものほど高い金額で取引され、また良い場所は年間で押さえられているため、広告を出したくても出せないケースがほとんどでした。

 しかし今では、インターネット広告のようにターゲットを絞って広告掲出ができ、さらにはその効果も分析することで費用対効果を高めることが経営効率にも大きく関わってくるため、その効果が見えないものに対しては広告主は徐々に予算を縮小するようになってきました。またコロナの影響で人々が外出を控えることにより、その媒体としての魅力もさらに薄れてきており、いわゆるODM(アウト・オブ・メディア)はその存在意義を問われるようになってきています。そのような状況の中、今最も注目されているのがプログラマティックバイイングという広告取引です。

 プログラマティックバイイングとは広告をどこに掲出するかを決めて広告枠を購入するのではなく、TPOに応じてリアルタイムに判断し広告枠を買い付け広告を掲出することできめ細やかなプロモーション活動を行うことができ、さらにはONE TO ONEの広告コミュニケーションが可能になる考え方で、主にインターネットにおけるRTB(リアルタイムビッディングによる広告入札)を活用した考え方であるとも言えます。

 インターネット広告ではメディアの買い付け側がDMP(デマンド・サイド・プラットフォーム)、売り側がSSP(サプライ・サイド・プラットフォーム)と呼ばれ、それぞれRTBを利用して入札を行うことで、求めるターゲットに対して効果的な広告枠を希望する予算内で入札を行うことができます。

 このシステムを活用することで広告主は駅のデジタルサイネージやビジョン、また駅周辺ビルのビジョンなど全国の都市部の広告枠をメディレップが一元管理することにより各広告枠の出し分けだけでなく、携帯電話の利用者データからその広告枠の視聴者データを割り出し、広告主にターゲットを絞り込んだ広告枠の提供が可能になりました。

 広告は基本的にimpで取引価格が決められ、予算に応じて、ターゲットリーチ、接触率の高いメディアを中心にしての予算及び期間内で広告を表示していきます。

 このプログラマティックバイイングはクロスメディアとして活用することもでき、ある一定の期間内に特定のターゲットに集中的に広告を認知させたい場合に、ターゲットの1日の導線の中でTVCM、インターネット広告、交通広告を同時に配信することでターゲットの広告接触率が上がり、認知行動促進を短期間で実行させることが可能となります。

 また、カメラやセンサーで通行量や交通量、天候などをリアルタイムに検知することで状況にあった広告を出すこと、サイネージを見ている人の性別などの属性によって広告を出し分けすることができれば、広告効率も高くなります。また、IOTや5Gなどの通信技術の進化に伴って、いずれ広告は全ての広告と一体化していくのではないかと思われます。
 例えば電車内のサイネージを見ている人の広告に対する注視率からその個人の携帯に位置情報を利用して広告をプッシュ配信したりすることも可能になるかもしれません。

 ちなみに日本は海外と比較すると屋外広告のデジタル化が遅く、現時点に置いて20%ほどと言われています。海外では40%ほどと言われていますのでまだまだ拡大の余地があると言えます。
 対象となる媒体はLIVE BOARD社が保有するDOOH向けアドネットワーク「LIVE BOARD」の提携媒体の大型ビジョンやデジタルサイネージ 、配信面数104面を活用したインプレッション方式での広告配信となります。画期的なのは広告主側がそれまでできなかったターゲットのセグメントや予算に応じたエリアごとの出し分けがスムーズにできるようになっただけでなく、これまでのように売れ筋だった乗降客数の多い、新宿駅や渋谷駅、品川駅周辺の大型ビジョンだけでなく、主要駅以外の広告にもチャンスが訪れたこと、また、それまでアナログだった看板をデジタルサイネージに置き換えることで広告掲出機会とともにインプレッション販売による適正料金を受け取れるようになったことなどがあり、広告ビジネス全体としても大きなインパクトを与える機会です。今後のこのプログラマティックバイイングの考え方はあらゆるアナログ広告媒体をデジタル化し世界を変えていくことでしょう。

 LIVE BOARDは、日本初となるインプレッション(=広告視認者数)に基づくデジタルOOH広告販売を行っており、さまざまなデジタルOOH広告枠を一括して自由な期間で購入することができます。
https://liveboard.co.jp/

交通広告は常に売り手が価格を決めており、その効果もよくわからないものとされていた。デジタル化が進んだことによりこの領域も変革を迫られているのじゃ。いずれは全ての広告がデジタル管理されていくと思われておる。

プログラマティックバイイング のメリット・デメリット

事例:BRAND VIEW ADS


株式会社博報堂DYアウトドア及びデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社によるデジタル広告配信システム。
PC・スマートフォンに配信される従来型のデジタル広告に加え、これまで分断されていたTV関連広告やタクシー広告、屋外サイネージ広告、オーディオ広告等を横断しての統合型の広告コミュニケーションが可能.


https://www.hakuhodody-media.co.jp/newsrelease/service/20200622_27837.html
※DACのDSP「MarketOne®」のシステムを元に三社で開発

※MarketOne®(マーケット・ワン)/デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社の運用するLIVE BOARDと接続できるDSP

メリット
クライアント側/携帯キャリアからの情報等により接触ターゲットの属性情報により予算に合わせて出しやすくなり、ネット広告等の他媒体とKPI(CTR等)の統一がしやすくなる
メディア側/大手頼みの広告枠販売からの脱却が可能、プログラマティックバイイングによる手売りが不要に

デメリット
クライアント側/どうしてもターゲットが駅近に集中するため結果として単価が高くなる。インプ保証orCTR(タクシーサイネージの場合)までしか追えないので実質的な効果がつかみにくい。
メディア側/細かい顧客管理により作業量が増えるため、どう効率化して行くかが課題。メディアレップに主導権を握られることで利益率が落ちる可能性あり

交通広告は日常の風景と共存することにより、生活の一部としてメッセージを送ることができる他のメディアにない特性があり、SNSを通じてバズり易いのも特徴です。例えば、有名な例で言えば、イギリス ブリティッシュ・エアウェイズのダイナミックDOOHではビジョンの中の男の子がビルの上に設置された巨大なサイネージの中で飛行機がその上を通過すると同時に立ち上がり、その飛行機を指差して歩き出したり、スウェーデンで薬局チェーンを展開している企業と広告会社が企画したダイナミックDOOHでは、健康的な生活習慣を訴えかけるキャンペーンを展開するため、センサーのついたサイネージの前をタバコを吸った男性が通ると画面の中の男性が咳き込むというしかけです。

プログラマティックバイイング は交通広告の概念を変える画期的なシステムじゃがまだまだ発展途上であるといってよいじゃろう。

これらの広告はTwitterなどのSNSを通じて拡散され世界中で大きな話題となりました。

 以上のように、このコロナ禍においても広告ビジネスはさらに進化をつづけており、インターネット広告だけでなくアナログ広告といわれる看板広告もネットワークで一元管理し、広告を運用できるようになっています。また、広告料金の適正化、効率化だけでなく、一元管理することによるクロスメディア効果や集中スポットによる短期的な売り上げ戦略など様々な組み合わせによる広告戦略の選択肢が広がることは広告主や広告会社にだけでなくメディア側にとっても新たなビジネス機会につながることは間違いありません。

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