これから就職活動を始める学生の方、異業種から広告業界へ転職を考えている方にとって、広告業界はマスコミやエンタメ業界との繋がりが強かったり、クリエイティブな仕事であることから割と華やかなイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。たしかにそのような面はありますが、クライアントによっては年間何十億という予算を回していかなければならないため、結果を出すためのプレッシャーと日々の過酷な業務に追われ、関わるプロジェクトによっては体を壊すほどハードワークを求められるケースもあったりもします。
また、デジタルマーケティングが進み担当者は今まで以上に数字を求められるため、そのプレッシャーに押しつぶされることもあるかもしれません。しかしながらなんといっても広告業の魅力は、クリエイティブの力で産業や経済を活性化させるという醍醐味ではないでしょうか。今回は広告業界を目指す方に広告業界での仕事や今後業界がどのように変化していくのかなどについてご説明したいと思います。
広告業とは
広告業は企業の商品・サービス、もしくは企業そのものの情報を発信することで、消費者の購買意欲に働きかけるための仕組みを企画・制作し、企業および社会経済の活性化に貢献する仕事ですが、電通、博報堂、サイバーエージェントのようなビッグ3と呼ばれるメガエージェンシーなど、グループ会社も多数持ち、アニメや映画・音楽制作や、コンテンツ販売、人材派遣など商社のように幅広い事業を行なっている企業もあります。
ちなみに広告業といわれる会社は日本で1万社以上あるといわれ、その中でも最も大きなシェアを誇るのが先に挙げた広告業界のガリバーといわれる電通、そして次に博報堂、アサツーディ・ケイでこの3社でなんと日本の広告費の50%以上のシェアを持つといわれています。(インターネット広告を除く)参考までに各社の取扱高ランキングを見て見ましょう。
表からもわかるように電通と博報堂が圧倒的シェアを占めていることがわかります。
参考までに過去のランキングも比較してみましょう。下記はまだGoogleやFacebookがサービスを開始したばかり、スマホも普及しておらずリスティング広告などの運用広告がまだあまり普及していない2005年のランキングとなります。
*最新(2020年5月)の広告取扱高ランキング
1位 電通グループ 1兆5,262億円
2位 博報堂 9,989億円
3位 サイバーエージェント4,536億円
4位 アサツーディ・ケイ 3,528億円
5位 D.A.コンソーシアムホールディングス 2,083億円
6位 大広 1,192億円
7位 ジェイアール東日本企画 1,190億円
8位 東急エージェンシー 1,078億円
9位 オプトホールディング 899億円
10位 アイレップ 685億円
注目すべきは上位10社の中にインターネット専業の広告会社が4社も入っている点だ。
上記からわかるように近年ではインターネット広告のシェアが大きくなるにつれこの勢力図がかなり変わってきました。上位2社の位置は変わっていませんが、特筆すべきは2005年時点のランキングには入っていなかったインターネットを専業とする広告会社が4社もランキング入りしている点です。
また、2020年には株式時価総額ではサイバーエージェントが電通グループを抜いたことが大きな話題となったことも記憶に新しいところかと思います。広告を出稿するスポンサーも効果があったかどうかわからないマスメディアよりもしっかり効果検証ができ、マスメディアでは届きにくい若者世代を中心に利用率の高いインターネット広告やSNS広告に予算を振り分けるようになり、結果としてネット専業会社やウェブを軸とした戦略的マーケティングを行うコンサルティング会社が予算を獲得するようになり、広告会社も今までよりもより結果を追及されるようになりました。
今では広告会社はオフラインとオンラインとの横断したフルファネルマーケティングやデータドリブン型の提案ができないとコンペにすら参加できないとも言われています。いわゆる広告マンから広告コンサルタントとしての能力が求められるようになってきたということです。
このようにかつては御用聞き営業や接待営業と言われるような営業は絶滅し、今後はウェブ周りに詳しく、しっかりデータに基づいてPDCAを回せる能力が求められるため、これから広告業界を目指される方は今までのような派手で華やかな広告マンのイメージをもって入ってくるとギャップを感じるかもしれません。
かつては大学生の就職では文系優位といわれる業種でしたが、ウェブを基軸としたマーケティングが基本となった今では営業職とはいえデータ解析を避けて通れないため、これからは理系優位になると思われます。ただし、クライアントや様々な部署、外部提携先とのコミュニケーションは他の業種と比較してもより必要とされるため、文系・理系問わずこの能力がずば抜けて高い人は今後も変わらず必要とされるでしょう。
ちなみに、広告会社にはAE(アカウントエグゼブティブ)と呼ばれる営業職のほかに、マーケティング職、クリエイティブ職などの職種があり、それぞれが専門性を発揮し、チームでプロジェクトを遂行する形となりますので、それぞれの役割を知っておくとよいでしょう。
また、新卒で入社した方はある程度の規模の会社であればそれぞれの職種をジョブローテーションで経験することが多く、いずれ管理職として全てを統括するプロデューサー的なポジションを目指すことになります。(クリエイティブごとのプロデューサーとは意味合いは異なります)
総合広告代理店のビッグ3について知っておこう
株式会社 電通 (英文社名:DENTSU INC.)
創業
1901年(明治34年)7月1日
代表取締役
五十嵐 博
本社所在地
〒105-7001 東京都港区東新橋1-8-1(代表電話番号)03-6216-5111 URL https://www.dentsu.co.jp/
資本金
100億円
従業員数
6,907人(2020年12月末日現在)
事業内容
「Integrated Communication Design」を事業領域としたコミュニケーション関連の統合的ソリューションの提供、経営・事業コンサルティングなど
株式会社博報堂(HDYホールディングス)
創業
1895年(明治28年)10月6日(設立:1924年2月11日)
資本金
358億48百万円
売上高
9,069億99百万円(2020年4月~2021年3月期、連結ベース)
社員数
3,812名(2021年4月1日現在・契約社員含む)
代表取締役社長
水島正幸
本社所在地
〒107-6322 東京都港区赤坂5丁目3番1号 赤坂Bizタワー
連絡先
03-6441-8111(電話番号案内)
株式会社サイバーエージェントCyberAgent, Inc.
本社所在地
〒150-0042東京都渋谷区宇田川町40番1号 Abema Towers(アクセスマップ)Tel:03-5459-0202(代表) Fax:03-5459-0222
代表者
代表取締役 藤田 晋
設立
1998年3月18日
資本金
7,203百万円(2020年9月末現在)
事業内容
メディア事業
インターネット広告事業
ゲーム事業
投資育成事業
これらの会社は就職難易度が高く、倍率は200倍以上とも言われている。3位以下の会社でもアニメや不動産に強いなど特色をもっている会社もあるのでなるべく候補を増やしておくことだ。
広告会社で活躍するプレイヤーについて知っておこう
営業職
・AE/アカウントエグゼクティブともいわれ、主に既存クライアントの予算獲得・拡大のため、社内のマーケティング、クリエイティブメンバーとともに課題解決のための提案を行う陣頭指揮をとる役割
マーケティング職
・マーケティングプランナー/AEとともにクライアントの課題解決のための情報収集、リサーチを元に企画提案を行う。主にTVCMのGRP(延視聴率)や、WEBのKPI(CTR、CVR、CPA、ROI、ROASなど)の指標を元に予算立てを行うことが多く数字に対する強さが求められる
・WEBマーケター/AEとともにクライアントの課題解決のための情報収集、リサーチを元に企画提案を行う。主にWEBのKPI(CTR、CVR、CPA、ROI、ROASなど)の指標を元に予算立てを行うことが多く数字に対する強さが求められる
・メディアプランナー/AE、プランナーとともにターゲットリーチによる認知拡大もしくは購入促進のための最適なメディアの選別・バイイングを行う。メディア担当とのコミュニケーションや交渉力が求められる
クリエイティブ職
・クリエイティブディレクター/マーケティング職・AEとともに企画をビジュアル化するためのクリエイティブの企画・監修を行う。
・アートディレクター/クリエイティブディレクターとともに決定したデザインなどの具体化に向けてデザイナーに指示を行いながら監修も行う。
・デザイナー/クリエイティブチームで決定したデザインを作成する。
・コピーライター/クリエイティブチームで決定した企画・デザインにあったコピーを作成する。
大手の代理店であれば専門職以外はジョブローテーションで各部署を経験することも多いのだ
就職・転職に有利になる資格ってあるの?
特に有利になる資格というものはありませんが、取っておくと後々役に立つ資格はいくつかあります。
営業・マーケティング職を目指す方
ウェブ解析士
Webアナリスト検定®
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
GAIQは実戦でもよく使われるGoogleアナリティクスの基本知識が得られ、しかも無料で何回も受けることができるのでぜひ取得しておくことをおすすめする。
クリエイティブ職を目指す方
宣伝会議の主催するコピーライター講座を受講したり、また学生や一般の方でも応募できる新聞社主催の広告賞などに応募し、賞を獲得できれば大きなアピールになるでしょう。
宣伝会議コピーライター養成講座
公式サイト:https://copy.sendenkaigi.com/
クラウドワークス公式 スキル検定
宣伝会議賞
朝日広告賞
読売広告大賞
賞を取るのはなかなか大変だが、もし入賞でもすれば相当大きなアピールポイントになると思うぞ
広告業界を舞台とした小説・映画・ドラマ
広告業界をテーマとした小説や映画をご紹介します。舞台としては数年前〜数十年前の古いイメージで描かれていますが、今でも根強く残る業界のあるあるネタも多く、これから広告業界を目指す方もなんとなく広告業界の雰囲気がつかめるかもしれません。
・帝王の誤算 小説 世界最大の広告代理店を創った男

・シリウスの道(上・下)

・ジャッジ

・マッドメン シーズン1〜7

まずはこのような映画や小説を読んでなんとなくでも業界イメージをつかんでおくとよいと思うぞ
以上、今回はこれから就職活動を始める学生の方、異業種から広告業界へ転職を考えている方に少しでも参考になればと業界に関する記事を執筆いたしました。今後も新しい情報をどんどんアップしていく予定ですのでぜひブックマークとして活用いただけると幸いです。

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